SnowManの紅一点として 2 (ページ22)

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エンドロールページ22

監督「じゃあ、これで最後だから、よろしくね」

　『お願いします』

松村「お願いします」

Aとのドラマ

今日でクランクアップか

　“大好きだった”

“俺も、愛してる”

　“…幸せになってね”

“…幸せになれよ”

お互い背中を向けて、俺は泣いて

Aは笑顔で去るシーン

だったのに

…ねぇ、何泣いてんの

演技、得意なんでしょ？

　「ごめ、んな、さい、」

松村「大丈夫…」

監督「…これで行こう」

　『…え』

監督「笑顔で終われるほど、綺麗な恋愛じゃなかったよな、この物語って」

　『でも…』

松村「…俺も、これで良いと思う」

監督「正解だよ、桜井」

　『…！』

そっか

スタッフ「以上もちまして、桜井さん、松村さんオールアップでーす！」

　『…ありがとうございました！』

松村「ありがとうございましたー！」

分かったよ

松村「A」

　『ん？』

松村「帰らないの？」

　『…ここ、夕陽が綺麗だから』

松村「ねぇ」

　『…え？ちょっと、！』

夕陽に照らされる彼女を写真に撮れば

照れたように笑う

撮られるのなんか慣れている癖に、笑

松村「さっきまでは、俺達、恋人同士だったんだよな」

　『そうだね』

松村「で、別れてお互いの道を進んでいく…」

　『…うん』

松村「ねぇA」

　『ん？』

松村「“大好きだった”」

　『…！』

松村「…愛してる」

　『“私も、愛してた”』

松村「“幸せになれよ”」

　『“幸せになってね”』

演技じゃないんだ、これ

心のどっかで期待してて

でも、終わるってこと確信してて

俺に背中を向けるA

待って、行かないで

松村「…っ、ごめん、本気で愛してごめん、」

　『ごめん、ごめんな、さい、』

追いかけて、抱きしめれば

何故か彼女も泣いていて

…あぁ、やっぱり綺麗な恋愛じゃなかったんだ

松村「…これで、最後」

　『…ん』

今、この瞬間

Aの唇に触れた、この時だけは

“綺麗”

だったのだろうか

　『…ありがとう』

松村「こちらこそ、ありがとう」

…もう泣かない

だって

俺は、きっと、一生

Aが好きだから

愛する人の幸せを願えば

俺は生きていける

フォルダの中の彼女が笑ってくれるから