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ふたりの時間 ページ6

学校生活も折り返しを迎えた。







「すっかり秋だね」





黒「もーすぐだな、推薦」






私も、蓮くんも推薦で大学を受けることになっていた。




私は東京の大学に




蓮くんは地元の大学を志望した。










お互いの希望通りに受かれば



4月から、離れてしまう。









「大学行っても、話せるのかな。蓮くんと」




黒「話すし、会いに行くよ」




まっすぐ私の目を見て言ってくれる言葉が





叶わなくても嬉しくて本当の事のようで



嬉しかった。







目を合わせて、ふふって微笑み合って



話題をリセットする。







窓からさす夕日に照らされる蓮くんは




ほんとにきれいだった。



目が離せなくなるほど。








黒「そんなに見られたら恥ずかしいんだけど」





「、蓮くん綺麗だよね」





黒「乃杏のほうが綺麗だし可愛いと思うけど」








さらっと言うんだもん。本当みたいに。





他の女の子にもそんなこと言ってるの?



そんなことしたらみんな勘違いしちゃうよ。








蓮くんかっこいいんだから。


ただでさえ人気なんだから。










黒「ね、乃杏さ」





問題を解きながらなにー?と答える。





急に無理やり顔をあげさせられる。


私のほっぺを包む手は暖かくて少し震えていた。





「ど、うしたの?」



涙が滲んできそうな瞳で私を捉えて離さなかった。











黒「俺、乃杏のこと好きだなって」




驚きのあまり手に持っていた問題用紙を



ばらまいてしまった。





私も蓮くんも落ちた音に気を取られて


夢から冷めたように硬直から静寂から抜け出す。







大丈夫?と拾い集めてくれる蓮くん。








夢、なのかもしれない。



推薦への緊張で



どうにかなってしまったのかもしれない。








同じ用紙を拾おうとして重なる手。




グラウンドから聞こえる生徒の声。




学校を包むチャイムの音。












全てがスロー再生で




目の前の蓮くんから目が離せなかった。




黒「好きだよ」








やっと現実なんだと気づいた。




私も、好きだよ。







溢れそうになる涙を隠そうとすると


優しく頬に触れて、指で涙を拭う。










どちらからともなく、





静かに、ただ静かにキスをした。






握られる手を離すことはないと思っていた。





たしかにあのとき心は通じていた。


同じ未来を見据えていた。










時計の軋む音など聞こえないほどに。

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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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