�� ページ3
佐久間side
翔太くんが集中治療室から一般の病室に移った。
集中治療室にいる間はふっかと涼太と照が中心になってみてくれていたから、俺らナース勢ははじめましてなわけで。
今日から食事を口から摂ることになったから、康二と一緒に翔太くんのお部屋へ。
佐「…はじめまして。翔太くん。」
向「はじめまして！」
お部屋に入ると、こっちをじぃっと見て固まってる。
佐「はじめまして。看護師の佐久間です。さっくんって呼んでね。」
向「俺はこーじって呼んでな？」
翔太くんの中では「照のお友達」という言葉が安心材料になっているらしい。
だから、病室に移る前に照が、「お部屋に来る人は全員俺のお友達だからね」って伝えてくれている。
その効果があってのことなのか、意外と怖がらずにこっちを見てくれている気がした。
佐「さっくんだよ、さっくん。」
向「こーじの方が言いやすいやろ？こーじ。」
翔太「…」
名前を呼んでほしくて必死にアピールしてみたけど、きょとんとしたままだったから諦めて、トレーを目の前に。
佐「ごはんだよ〜。今日からお口から食べてみようね」
翔太「…」
どうするかな、と思って見守ってみたけど、自分で食べ始める気配はなかった。
向「スプーン握らせてみる？」
佐「そうしよう」
康二がスプーンを手渡すと、一応受け取ったけど、ほぼ力を入れてない。
試しに康二が手を離したらスプーンはかちゃん、と音を立ててトレーに落ちる。
佐「自分では今日は難しいかな…はい、あーんして？」
落ちたスプーンをとって、お皿からすくって小さいお口にそっと運ぶ。
10秒くらい辛抱強く待っていると、やっと少しだけ口を開けた。
向「きっと時間の流れがゆっくりな子なんやね」
スプーンを口から抜くと、ゆっくりもぐもぐとして、飲み込む。
向「ちゃんとごっくんできたな…」
佐「おいしい？」
翔太「…おいち」
かっわいい…舌足らずな話し方。初めて声を聞けた。
佐「おいしい？もっと食べていいよ？」
いいの？って聞くみたいに見つめてきたからスプーンを握らせてあげる。
すると、ちゃんと自分でスプーンをもって綺麗に食べ始めた。
向「上手に食べるなぁ」
佐「ほんとほんと。でもやっぱりゆっくりさんだねぇ」
丁寧に丁寧に、そうっと、静かに食事をすすめている。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1008人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルク(プロフ) - アンナさん» こちらこそリクエストありがとうございました！読んでくださる皆さんは💙以外なら誰が好きなのかな〜なんてたまに気になってました🤭 💛さんいいですよね〜。また絡み書きますね！ (3月31日 9時) (
レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
アンナ(プロフ) - リクエスト応えてくださり、ありがとうございました！💙💛の絡みが個人的にすごく好きなので、また是非よろしくお願いします♪ (3月30日 22時) (レス) id: 3278b67723 (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - えなさん» こちらこそリクエストありがとうございました！自分なりに奮闘する感じが、私的にもお気に入りのお話になりました🤭 これからも頑張ります♪ (3月20日 23時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - リクエストに応えていただきたいありがとうございます！これからもお話し楽しみにしています🌟 (3月20日 20時) (レス) id: 2ee6bfb48d (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - ナオさん» ご感想ありがとうございます！おそらくリクエスト頂かなかったら、こういうテイストを書くことはなかったと思うので、私の方こそ感謝です✨ 是非是非これからも遊びに来てやってください♪ (3月14日 17時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シルク | 作成日時：2024年3月9日 23時
