❅·̩͙24 ページ24
たらこパスタ。
素を使うから結構簡単なんだけど
10人分となるとパスタを茹であげる量が半端ない。
さすがいつも9人分を作ってるだけあって
だての手際は凄まじく、私は居ない方がいいんじゃないかと思った。
負けじとサラダに使う野菜を頑張って切っていると、
テーブルに置かれた誰かの携帯が鳴る。
警告するような、アラーム音。
パッと手に取ったのは阿部だった。
ゲームをしていたふっかが手を止めて阿部を見る。
深「どこ、どいつ?」
阿「CBだね」
深「だってー佐久間。あ、無理なんだった」
佐「今の俺は足でまといだよーん」
また佐久間。
なんで何でもかんでも彼に任せるんだろ。
頭である深澤がそう簡単に出ていかないのは分かるが
それにしたって佐久間にだけ押しつけなくてもいいのに。
深「何人ぐらいいる?」
阿「5,6人ってとこ。2人出せば十分じゃない?
めめこじ行ってくる?」
向「おっ?めめきゅん行く??」
…向井ってそんなキャラなんだ。
私が居ることに気づいてはっと口を噤んだけど、もう遅い。
私に対してもあのキャラを出してくれるようになったらいいな。
乗り気な向井とは違って煮え切らない表情の目黒。
まあ、行きたくないよね。
いくら自分たちの方が強いって言っても怪我するのやだろうし。
渋る目黒に、阿部が近づいた。
耳元でごにょごにょと何か話している。
2人とも時折こっちを見るのは何故か。
だんだん目黒の表情が明るくなっていって
最終は康二行くぞってやる気全開になった。
阿部は勉強だけじゃなくて人のやる気出させるのも上手なんだ。
2人が出てって、バイクの音が遠くなってから
カウンターに座った阿部に聞いた。
「なんて言ったの?めっちゃこっち見てたけど」
阿「えー笑 内緒っ」
宮「どうせ姫に手当してもらえるよとか言ったんだろ」
阿「こらこら舘さん言わないの」
はーんそういうこと。
だからこっち見てたのか。
手当ぐらいであんなやる気出せるのすごくない?
男の子って単純だ。
『…じゃあ俺も行けばよかった』
阿部の横に座った渡辺まで。
頬杖ついてこっち見るから、なんか手元狂う。
野菜を切り終わって、皿にテキトーに盛りつける。
トマトやらなんやら乗せてそれっぽく。
だてが作ったパスタも10皿分に分けれたら、
立ち上がった阿部と渡辺が運んでくれた。
フォークとお箸も並べて
2人いないけど全員揃って、いただきます。
572人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時